医療コンフリクト・マネジメント学会 参加報告

1月27日(日)、医療コンフリクト・マネジメント学会に参加しました。
この学会はまだ第二回目、のとても新しい学会です。

今回は尼崎医療生協病院 医療安全管理室 遊道室長、
国立がん中央病院 患者相談室 依田室長、
榛原総合病院 医療安全管理者増田室長、と私がパネリストでした。

医療メディエーションを用いて、それぞれのお立場で対応されている事例の分析、
非常に興味深かったです。 様々なご苦労の中でいまのポジションや成果、
姿勢があるのだな・・・と思い、たくさん良いところは盗ませて いただきながら、
私たちもますます頑張っていきたいと思いました。

ちなみに3院とも、これは結果論ではありますが、 メディエーターが入ってから、
(皆さんトレーナーであり、院内研修等もされています) 訴訟がゼロになった
と のことでした。
しかしそれはあくまでも「患者さんのお話を十分に聴く、という文化が
根付き始めたから」と遊道室長。
「メディエーターの初期は病院を背負っていた。それで何度も、失敗していた。
」と増田室長。

私へのお題は活動の紹介、報告や今後の市民参加の可能性、とでした。
一番熱を込めてお伝えしたいのは「患者さんは大切にされたいのだ」
ということです。
病院への不満でいっぱいで来られたようにお見受けする方でも、
お話を最後まで聴き届けると、もっと大事に扱われたかった、
大切にされたかった、もっとお話を聴いてほしかった・・・とそんなことを
おっしゃる方が多い、というお話をいたしました。
発表後、皆さんからいろんなご指摘をいただきました。

●非常にありがたい取り組み。 あまさんが言った
「医療者を守ることは、自分達を守ること」というのは、
医療者は皆思って来た。この思いが、患者さんから出ることが嬉しい。

●この10年間、医療メディエーターが何度も「病院側の人」と言われてきた。
それがマイスターが院内で、「患者側の人」と言われることに驚き。

●最初は(医療者も)抵抗を感じるかもしれないが、
医療メディエータ―が介入するよりマイスターが介入してくれるほうが
嬉しいし話しやすい、ということが今後出てくるのではないか。
医療者だって、患者の思いを聞きたい。が、患者から直接攻撃的に言われるのは
きつい。そこをマイスターが入ってくれたら、とてもありがたい。

●とても素晴らしい取り組みだし全国に広がってほしいけれど、
マイスターが行なっているように、一定の研修が必要。
病院にいるすべてのボランティアさんができるわけではない。
特に、聴くより自分が話してしまう、とか押し付ける、とかそういうことが
ないようトレーニングが必要。

●これから二期、三期と増えてくると、さらに別の問題が出てきそう。
一期の人たちが育てる側にまわるようになるといいですね。

といったお声をいただきました。

座長の荒神先生(恵比寿の厚生中央病院・副院長)からは
今まであった患者さんのグループとあまりに違うので、
医療者は最初、戸惑うこともあるだろう。
けれど、あなたの役に立ちたいという姿勢が見えていれば
喜んで協力してくれるはず、とのお話がありました。

そして、アドバイスとして
今までの事例でうまくいったケースを振り返る。
なぜうまくいったのか?
ああでもない、こうでもない、と分析するといい。
と教えていただきました。
早速やってみたいと思います。

依田室長は
●人間としてどうなのか。
●あなたにとってのメディエーターとしての、マイスターとしての、
宝はなんなのか。
●どういう思いで向き合っているか。
●大切に思っていることは何か。
こういうことをシェアする場を持つことの必要性のお話がありました。
こちらも早速やってみたいと思います!

今年は栗橋病院スタッフの皆さんへの周知を頑張りたいでと思います。
まず、活動を知ってもらう。顔を知ってもらう。
そしてちょっとしたときに話せる。そんな関係を築いていきたいと思います。
(もちろん患者さんへの周知は大前提です!)

まだまだ道半ばどころか、スタートラインに立ったばかりですが、
これからも病院スタッフの方の理解と協力を得ながら、
患者さんと伴走していきたいと思います。

先日、Orinasの見学に来てくださった吉田穂波先生が
その見学のことを【ecomom】に記事を書いてくださいました↓↓↓
こちらも併せてご一読いただければ幸いです。
http://business.nikkeibp.co.jp/ecomom/column/dc/dc_049.html